民主議院と民戦の結成（テキスト：4−2 民主議院と民戦の結成）
(1)南朝鮮代表民主議院（民主議院）の開設
a)1945.8〜46初の米政府内の朝鮮政策をめぐる2つの潮流（カミングス）
┌ Internationalism 国際協調主義：ソ連との強調のもとに信託統治（ローズヴェルト、国務省）
└ Nationalism 一国独占主義：ソ連封じ込め政策（現地占領軍）
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1946.2〜3 後者に確定（←冷戦の激化）
b)右派・保守派の動向
┌李：親日派を嫌いながらも国内基盤を欲す
└韓民党：李をかつぐことで「愛国者」の名目
c)反託運動の展開←モスクワ協定（1945.12.27）
金九の反託運動：全国的なストライキ訴え、臨政を朝鮮政府と認めるよう要求＝政権奪取の試み（12.29）→大規模なデモ発生
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ホッジが中止命令（1946.1.1）→金九（臨政）の権威失墜
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反託運動の主導権は李承晩と韓民党へ
＊信託統治はソ連の提案と歪曲宣伝、反託＝独立を「愛国者」の証明として利用、左翼（＝「賛託」）はソ連の手先とキャンペーン
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ソ連の対米不信、決定的に（冷戦へ）
d)南朝鮮代表民主議院創設（1946.2.14）
米軍政の諮問機関を構想＝朝鮮人による米軍政支持基盤が必要との認識
非常国民会議（1946.2.1←準備会［1.23］）が母体←1月末、米、金九説得。李承晩グループとの合作へ
＊米軍政と協議する朝鮮人代表機関と主張。民主主義臨時政府の樹立を任務
＊しかし結集された政治勢力とはなり得ず＝朝鮮国民を代表するものとは言えない→穏健左派・中道勢力と連立できず孤立
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米軍政、正統性獲得のため選挙実施へ→南朝鮮過渡立法議院（1946.12.12）
(2)民主主義民族戦線（民戦）の結成
a)米軍政の人共否認
米軍上陸（1945.9.8）→人共を共産主義勢力、ソ連の支持を受けたものと非難、敵視
アーノルド軍政長官、人共否認を声明（10.10）＝米軍政は「共和国」を取り去り、政党として再編要求
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全国人民委員会代表者大会（11.20〜22）：600名出席、米軍政の要求拒否→対立深刻化
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ホッジ司令官、米軍政庁が唯一政府、人共「不法」を重ねて宣言（12.12）
b)民戦の結成（1946.2.15）←民主議院開設（2.14）に対抗
当時の有力な大衆団体
朝鮮民主青年同盟（1945.12.11）：65万
朝鮮婦女総同盟（1945.12.22）：30万
在日本朝鮮人連盟（1945.10.15）
c)民戦結成大会（1946.2.15-16）
480名参加。議長団：呂運亨、許憲、朴憲永、金元鳳、白南雲
ソ連に賛辞：北で人民委員会に行政権委譲（2.8北朝鮮臨時人民委員会）→南でも同様の措置を米軍に要求
モスクワ協定支持：臨時政府を組織するうえで朝鮮民族の唯一の正式代表を自認→米ソ共同委員会に積極参加、協力
親日派の徹底粛清→民主議院を反民主主義的会合と排撃
アメリカの見方：ソ連で訓練を受けた共産主義者の指導下→偏見と誤り（北と全く関係なし。南の左派勢力としての基盤）
＊北では北朝鮮民主主義民族戦線（北民戦）結成（46.7.22）